アクチュアリー試験(数学)に合格しました!

さて,以前も書きましたが勉強の仕方や勉強時間についてまとめていきたいと思います.

 

アクチュアリー試験」ってのが長いので以下では「アク試」と略すことにします.

 

 

 

アク試で1科目(数学)合格しました!

 

アクチュアリーやアク試については今後別記事に書こうと思いますが,ざっくり試験のことについてお話します.

 

アク試は大きく2つの段階,1次試験と2次試験に分けられて構成されています.

 

1次試験では基礎5科目といわれる,

 

「数学」「生命保険数理」「損害保険数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」

 

という5科目で構成されています.

 

アクチュアリー関連の記事や,試験合格を目指している方たちは,それぞれ,

 

「数学」「生保」「損保」「年金」「KKT

 

と略して呼んでいます(ことが多い).

 

この5科目は数学関連の内容で,手計算や電卓を用いての計算問題がメインです(KKTを除く).

 

受験の順番は関係なく,1年ですべての科目に合格する必要はありません.

 

1科目以上合格すると「研究会員」,5科目すべて合格すると「準会員」になれます.

 

が,1科目以上でも合格した場合,会員にならないと合格は記録されず,次年度以降で再受験する必要があります.

 

2次試験は選択制で次の3組から1組を選んで受験します:

 

「生保1・2」「損保1・2」「年金1・2」.

 

2科目1組でセットになっており,2科目合格で試験は終了です.

 

これを合格すると「正会員」になることができます.

 

私はこれの1次試験の数学に受かっただけで,まだまだアクチュアリーの道の入り口に立ったにすぎません.

 

 

正会員になるまでは平均8年かかるといわれている試験ですが,

 

3~4年で正会員になっている要領のいい人もいれば,

 

数10年かかってもなれない人もいるようです.

 

数学の問題形式

現在の構成になってからは,大問3つのマーク式です.

 

問題1(60点)

小問12問,各5点.

簡単(?)な確率と統計,モデリングの問題です.

結構いやな問題が(1)とかにおいてあるときもあるので,

スムーズに解ける問題を選んでポンポン解いていきましょう.

 

問題2(20点)

長めの確率の問題です.

誘導に乗っかれればスムーズに行けると思います.

私が受けたH29では2次元正規分布関連の問でした.

 

問題3(20点)

問2同様長めの統計の問題です.

こちらも誘導に乗れれば問題ないと思いますが,

「(1)で一般論→(2)で具体例 」

のパターンの場合があったりするので,うまく乗れないと大きめの減点になります.

 

 

過去問に至るまでの参考書たち

 

 参考書や演習書については,アクチュアリー会HPの「参考書籍のご案内」に記載されていますが,

 

受験されている方のおハナシを聞くと,まあまあ評判が悪いです.(笑)

 

大体どんな資格試験をうけても一緒だとは思いますが,受験をする上で「3ステップ」の準備が必要だと僕は考えています.

 

  1. 基礎知識を頭に入れる.
  2. 演習問題を解いて知識を確認.
  3. 過去問で実践演習.

 

一番しんどいのが1ステップ目ですが,大学受験生とかでもここをすっ飛ばす人が多くいて,そういうやつがたいてい浪人している気がします.

 

私が1ステップ目の勉強で使用したテキストはこれです:

 

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確率・統計の基礎 松本裕行 著

色々と縁があってこちらを使いました.1ステップ目の参考書は自分にとって理解がしやすい,自分に合ったテキストを使うべきだと思います.

 

何が言いたいかというと,いろんな合格体験記に乗っている本が自分にとってわかりやすいとは限らないということ.

 

一度ブッ〇オフとかにいってぺらぺらとめくってみてから選んだほうが良いと思います.

 

ここでは「様々な確率分布」と「正規分布との関連」,「正規分布表の見方」,「推定量の種類」,「検定の種類」,「(単)回帰分析」を押さえましょう.

 

これが一冊にまとまっている本だと,参考書を何冊も持たずに済みます.

 

特にt,F,\chi^2-分布の(正規分布からの)導出は頭に叩き込むといいです(第3問でそのまま出ます).

 

ここで,私はもう一冊使いました.

 

この本にももちろん演習問題は載っているのですが,確認問題としてもう少し演習がしたかったので,

 

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明解演習 数理統計 小寺平治 著

で,知識確認をしました.特に使ったのは,3章~7章です.

 

前半はシンプルな確率の問題なのでスキップしました.また,直交変換やワイブル分布などは試験では(今のところ)見ていないのでやらなくていいです.

 

 

 

2ステップ目では指定の演習書「確率統計演習1・2」を使いました.

 

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確率統計演習2 統計 国沢清典 著

1の確率は先ほど挙げた赤い本である程度押さえられますが,2の統計の方はこちらもやっておいたほうが良いです.そのまま,何なら一言一句同じ問題が出題されていたりする本です.

 

やるのは2・3・4・5・7章.分散分析は出ません.

 

5章がなかなかに難しいので一旦飛ばしてもいいと思いますが,第3問の問題はここから出ています.まあ過去問演習を始めてから触れる,でもいいような気はします.

 

メインでお世話になった本はこの3冊です.本当にありがとう.

 

勉強方法と勉強時間

 

勉強方法はいたってシンプル.

 

1ステップ目が終わった後は

 

間違えた問題にチェックを入れる\longrightarrow後でやり直し\longrightarrow間違えたらチェック\longrightarrow\cdots\cdots

 

のループです.演習書(赤いのと指定の本)はなかなかの問題量なので,まじめに頭からやったら精神が持ちません.永遠と終わりません.そのうち解くのをやめます.

 

でも必ず最低でもすべての問題は解くようにしましょう.

 

例えば章別でやるとかして,小さい目標をこまめに作るわけです.

 

これは私の大好きなコンビ,バナナマンの設楽さんが言っていた「電柱理論」というやつです.

 

1周やった後は間違えた問題を同じように繰り返します.

 

すると大量にチェックがつく問題が出てくるわけです.

 

そう.これが自分が全く理解していない問題です.

 

これ,何をやっているかというと,よく学生が言っている,

 

「何がわからないのかわからない」

 

というのを可視化するわけです.

 

何がわかっていないのかがわかれば解決策はすぐ見つかります.

 

 

あとは勉強時間ですが,

 

1ステップ目が1~2か月.

2ステップ目が2~3か月.

3ステップ目が3か月程度でやれればいいペースだと思います.

 

詰め込めばもっと凝縮できますが,体が壊れると思うので,余裕をもって勉強を開始しましょう.

 

ちなみに私は,

1ステップ目:2-6月

2ステップ目:4-9月前半

3ステップ目:9月後半ー12月頭(試験まで)

 

くらいのペースでやりました.

 

1と2のかぶっている期間は,赤い本をやりながら,よくわかっていないものを青い本で再確認,というのをやっていました.

 

1日の勉強時間としては,長い日で6~7時間,短い日で2~3時間くらい.

 

大学があったのでまる1日使えるという日はあまり確保できなかったためです.

 

また,過去問は週に1年分のペースでやっていきました.

 

週に何年ぶんもやると復習が間に合わなくなり,同じ問題で間違える率が上がります.

 

1度通しでやった後は,演習書と同じで,間違えた問題を中心に解きなおしをするだけです.

 

過去問は10年分だか11年分やりました.

 

電卓や計算スペースについて

「電卓慣れしなくては…」

 

とおびえていた時期もありました.

 

でも特別な練習は不要で,

 

電卓を使う必要のある問題でひたすら電卓たたいて...

 

をやっていれば,あとは過去問の演習中にそのうち早くなってきます.

 

電卓が~~とかギャーギャー言ってる前に,検定の自由度頭に入れるとか必要なことがあるハズです.

 

計算スペースに関しては,私が受験した際には,

配られる問題用紙のほかに,計算用紙を渡してくれました.

 

大きく丁寧に,ミスがないように計算ができます.(笑)

 

どちらもそんなに心配する必要はありません.

 

 

まとめ

 

まあなんだかすげー勉強した気になった1年でした.

 

私は結構ビビりなので下準備をかなり丁寧にやったのですごく時間がかかりましたが,

 

解きながら確認ができる人なら半年前位から勉強を開始すれば間に合うと思います.

 

が,何事も予測不可能な事態が起こりかねないので,できるだけ早めに対策を始めるべきだと思います.